iPadはSIMカードなしでも使える?Wi-Fiのみで使用するメリデメも紹介

まず、結論先にお伝えするとiPadはSIMカードなしでも使用できます。自宅やオフィスなど、Wi-Fi環境がある場所でしか使わないユーザーにとってはSIMなしでiPadを使用するのに向いているでしょう。

そこで、この記事ではiPadでSIMカードは必ず必要かどうか、iPadのモデルについて詳しく解説します。iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うメリット・デメリットについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

iPadでSIMカードは必要?

冒頭でも伝えた通り、iPadを使用する際にWi-FiモデルならSIMカードがなくても使用できます。しかし、SIMカードが必要かどうかは、iPadの用途と詳しくは後述しますが、購入するiPadのモデルによって異なります。

基本的に、iPadはインターネットに接続して使うことによって本来のパフォーマンスを発揮します。しかし、iPadを使う全員が外出先でのインターネット接続を必要とするわけではありません。自宅やオフィス、カフェなどWi-Fi環境が整っている場所での使用がメインなら、Wi-Fiモデルで十分。

一方で、移動中もインターネットに接続したい場合は、Wi-Fi + Cellularモデルの選択が適しています。このモデルではSIMカードを挿入することで、移動中でも携帯電話の電波を使ってデータ通信が可能になり、より広範囲でiPadを活用できるようになります。

iPadのモデルは2種類

モデル 特徴
Wi-Fiモデル ・Wi-Fi環境でしか使用できない
・デバイスの価格がWi-Fi + Cellularモデルに比べて安い
Wi-Fi + Cellularモデル ・Wi-Fiに加えてセルラーネットワーク(モバイルデータ)を利用可能
・電話やショートメッセージも利用可能

iPadには大きく分けて「Wi-Fiモデル」と「Wi-Fi + Cellularモデル」の2種類が存在します。Wi-Fiモデルは名前の通り、Wi-Fi環境下での使用に特化しています。対照的に、Wi-Fi + CellularモデルはWi-Fiに加えて、モバイルネットワーク(セルラー)にも対応しています。

ここからそれぞれのモデルの特徴について、詳しく解説していきます。

Wi-Fiモデル

iPadのWi-Fiモデルは、Wi-Fi環境でしか使用できません。このモデルはSIMカードを必要とせず、SIMカードを挿入するポケットがそもそもデバイスにありません。インターネット接続はWi-Fiネットワークを介する前提であるため、自宅、オフィス、カフェなどWi-Fiが利用可能な場所でのみです。(iPhoneなど他のスマホのテザリングを利用すれば、移動中などでもインターネット接続は可能です。)

Wi-Fiモデルの大きなメリットは、デバイスの価格がWi-Fi + Cellularモデルに比べて安いことです。また、別途通信プランを契約する必要がないため、毎月のランニングコストも抑えられます。

ただし、Wi-Fi環境がない場所では基本的にインターネットに接続することができないため、使用場所を選びます。主に自宅などの固定の場所で利用し、移動中のインターネット接続を重視しない人に適しています。

Wi-Fi + Cellularモデル

Wi-Fi + Cellularモデルは、Wi-Fiに加えてセルラーネットワーク(モバイルデータ)を利用できる点が特徴です。このモデルでは、SIMカードを挿入することで、Wi-Fiがない環境でもインターネットに接続できます。スマートフォンのように使えるのです。

これにより、外出先や移動中でも快適にインターネットサービスを利用することが可能になります。これはビジネスシーンや頻繁に移動する人にとって大きな利点です。ただし、Wi-Fiモデルに比べて端末の購入価格が高く、別途データプランの契約も必要になります。

移動中のインターネット接続を頻繁に使用する、または場所を選ばずにiPadを活用したい人に最適な選択肢です。

iPadをSIMカードなしのWi-Fiのみで使うメリット

iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うことにはメリットもあります。このモデルを選ぶ理由は、データ容量を気にせず使うためや端末代金を抑えるためです。ここからは下記の3つのメリットを具体的に解説します。

キャリアの通信費を気にしなくていい

Wi-FiのみのiPadを使用する最大のメリットは、キャリアの通信費を気にする必要がない点です。セルラーモデルの場合、データプランの契約が必要ですが、Wi-Fiモデルではその必要がありません。(セルラーモデルでも自宅やオフィスなどWi-Fiを使ってインターネットに接続すれば、月々のデータ通信料を消費せずに使えます。)

このため、毎月の通信費が節約できます。下記の表は、セルラーモデルを購入して格安SIMで通信プランを契約したときの月々の費用ですが、おおよそ1,000〜3,500円の節約になります。(契約するプランにより異なります)

特にYouTubeやNetflixなど動画ストリーミングサービスを利用したり、データ通信量の多いソーシャルゲームをよくプレイするユーザーにとっては経済的です。

※セルラーモデルを購入して格安SIMで通信プランを契約したときの月額一覧
(2023年12月時点)
(音声通話SIMではなく、データ通信のみのSIMを契約した場合)

スクロールできます
格安SIM 2GBプラン 5GBプラン 10GBプラン 20GBプラン
IIJmio 850円/月 990円/月 1,200円/月 1,700円/月
スクロールできます
格安SIM 3GBまで 3GB〜20GB 20GB〜
楽天モバイル 1,078円/月 2,178円/月 3,278円/月(20GB超過後は無制限)
スクロールできます
格安SIM 2GBプラン 5GBプラン 10GBプラン 30GBプラン
LINEモバイル 660円/月 1,078円/月 1,870円/月 2,970円/月

Wi-Fiモデルの方が端末代金が安い

Wi-FiモデルのiPadは、Wi-Fi + Cellularモデルに比べて端末代金が安価です。この価格差は、特に予算を重視する人や初めてiPadを購入する人にとって大きな魅力です。

低コストでiPadの多機能性を享受でき、必要に応じて外部のWi-Fiデバイスを使用すれば、移動中もインターネットに接続することが可能です。

Wi-Fiモデルの価格 Wi-Fi + Cellularモデルの価格 差額
iPad(第10世代) 68,800円〜 92,800円〜 24,000円
iPad(第9世代) 49,800円〜 69,800円〜 20,000円
iPad Pro 124,800円〜 148,800円〜 24,000円
iPad Air 92,800円〜 116,800円〜 24,000円

Apple公式サイトでの販売価格を上記の表にまとめました。(2023年12月時点)どのモデルも、モバイルデータの利用を必要としないWi-Fiモデルの方が端末価格は、ストレージにより異なりますが、20,000〜24,000円安いことがわかります。

データ容量を気にせずに使える

Wi-Fiモデルを使用すると、Wi-Fi環境下ではデータ容量を気にせずにインターネットを利用できます。(セルラーモデルでもWi-Fi環境でインターネットに接続すれば通信データ容量を気にせずに使えます。)

これにより、動画や音楽のストリーミング、大容量ファイルのダウンロードといったデータを多く消費する活動も自由に行えます。家庭やオフィスなど固定の場所でしか使わない人には、快適にiPadを使用できるでしょう。

データ通信量が多い使い方の例を下記にまとめましたので、参考にしてください。

データ通信量が多い使い方の例

  • YouTubeやNetflixの利用
  • 大容量ファイルのダウンロード(動画ファイルや音楽ファイルなど)
  • 大きな通信量を必要とするゲームアプリの利用
  • 長時間SNSなどを利用する
  • 音楽ストリーミングサービスの利用

iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うデメリット

iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うことには前述の通りメリットもありますが、当然デメリットもあります。ここからは下記の3つのデメリットを具体的に解説します。

Wi-Fi環境下でないとインターネットに接続できない

Wi-FiのみのiPadは、Wi-Fi環境下でのみフル機能を利用できます。Wi-Fiが利用できない場所では、インターネットに接続することができず、メモや時計の機能しか使えません。

外出先や移動中などWi-Fiがない環境では、インターネットに関連する機能が使用できないため、その利便性が大幅に低下します。(iPhoneなどのスマホのテザリング機能を使えば外出中でもインターネットに接続することはできます。)

iPadでインターネットに接続していないとできないことの例

  • Webサイトの閲覧
  • LINEなどのコミュニケーションアプリの利用
  • インターネット接続を必要とするオンラインゲーム
  • 電子メールの送受信
  • クラウドサービスの利用
  • ソフトウェアやアプリの更新
  • 音楽ストリーミングサービスの利用

iPadでインターネットに接続せずにできることの例

  • オフラインで動作するアプリの利用
  • 写真やビデオの閲覧と編集
  • メモやドキュメントの作成
  • カレンダーやリマインダーの管理
  • 事前にダウンロードした電子書籍やPDF文書の閲覧

自宅にネット環境が必要

自宅でiPadを快適に使用するためには、安定したネット環境の設置が必要です。Wi-FiモデルのiPadは、自宅のWi-Fi環境に依存するため、インターネット接続の品質がiPadの使用に大きく影響します。これにより、Wi-Fi環境のない場所ではiPadの機能が限定され、その有効活用が難しくなります。

FaceTimeやショートメッセージの着信が来ない

SIMカードが挿入されていない状況では、FaceTimeや電話などの通信アプリの着信を受けることができません。これは、Wi-FiモデルのiPadがセルラーネットワークに接続できないためです。その結果、外出先や移動中などWi-Fi環境のない場所では、これらのアプリを通じた通話やメッセージのやり取りができなくなります。

また、SMS(ショートメッセージ)も、電話回線を利用して送受信されるため、Wi-Fiモデルでは受信できません。ちなみにLINEアプリはWi-Fi環境下であれば、iPadのWi-Fiモデルでも電話もメッセージも通信量を気にせずに使用できます。

iPadのSIMに関するよくある質問とその回答

iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うことには多くの疑問を持つ人も多いでしょう。その中でも特によくある質問に下記のようなものがあります。

ここからは上記の質問について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

iPadのSIMロックの確認方法は?

iPadの「設定」メニューで「一般」→「情報」を選択し、キャリアの設定に関する情報を見るとSIMロックがかかっているか確認できます。

一般的に通信キャリア(docomoやauなど)でスマホを購入するとSIMカードがセットされています。このSIMカードには購入者を特定するためのID番号が記録されており、各キャリアはこのSIMカードによって契約者を認識して通話や通信といったサービスを提供しています。そして、そのキャリアのSIMカードしか利用できないようにするためのロックがSIMロックです。

また、IMEIを調べてiPadの購入キャリアを確認する方法もあります。IMEI番号を、キャリアの公式サイトや専用の確認ツールで入力することで、端末がSIMフリーかどうかを調べることができます。

iPadのSIMのサイズは?

iPadに使用されるSIMカードのサイズは、モデルによって異なりますが、一般的にはnano-SIMカードが使用されます。(サイズは12.3mm×8.8mm)これは現在最も一般的なSIMカードのサイズで、多くのスマートフォンにも採用されています。

iPadのモデルによっては、eSIMをサポートしている場合もあります。eSIMは物理的なSIMカードが不要で、デバイス内に組み込まれたデジタルSIMを指します。各SIMカードの対応しているiPadのモデルは以下の通りです。

e-SIMに対応しているiPad

  • iPad(第9世代)
  • iPad(第8世代)
  • iPad(第7世代)
  • iPad mini(第6世代)
  • iPad mini(第5世代)
  • iPad Air(第5世代)

Nano-SIMに対応しているiPad

  • iPad (第5世代) 以降
  • iPad Pro (すべてのモデル)
  • iPad Air (すべてのモデル)
  • iPad mini (すべてのモデル)

Micro-SIMが必要なiPad

  • iPad (第4世代)
  • iPad (第3世代)
  • iPad 2
  • iPad

iPadのSIMが認識されない場合の対処法は?

iPadでSIMカードが認識されない場合、いくつかの対処法があります。まず、SIMカードとそのトレイを取り外して、両方を清潔な布で優しく拭き再度正しく挿入します。それでも問題が解決しない場合は、iPadを再起動してみてください。

また、SIMカードが正しくアクティベートされているかを確認し、必要に応じてキャリアに問い合わせることも有効です。アクティベートとは、初期設定を行い、端末を使える状態にすることです。これらのステップによって、多くの場合SIMカードの問題が解決します。

また、Apple公式サイトではSIMが認識されない場合の対処法について、以下のように書かれています。ご自身のiPadの状況に合わせてそれぞれの対応を検討しましょう。

SIMが認識されない場合の対処法

  1. 通信事業者のプランを契約済みで、そのプランが有効であることを確認します。
  2. iPhone または iPad を再起動します。
  3. キャリア設定のアップデートがないか確認します。「設定」>「一般」>「情報」の順に選択します。アップデートが提供されている場合は、メッセージが表示されるので、「OK」または「アップデート」を選択します。
  4. eSIM を搭載したデバイスの場合は、通信事業者にお問い合わせください。
  5. デバイスで物理的な SIM カードをお使いの場合は、iPhone SIM カードまたは iPad SIM カードを SIM カードトレイから取り出し、入れ直します。SIM トレイが完全に閉まり、緩んでいないことを確認してください。ほかのモデルの iPhone や iPad、ほかのメーカーの携帯電話の SIM をお使いの場合は、きちんと収まらない場合があります。
  6. デバイスで物理的な SIM カードをお使いで、前の手順を実施済みの場合は、別のSIMカードを使ってみます。別の SIM カードがない場合は、通信事業者の販売店にて、別の SIM カードでテストしてもらうようにご依頼ください。SIM カードの交換が必要になる場合があります。
  7. ※引用:Apple公式サイト

まとめ

この記事ではiPadでSIMカードは必ず必要かどうか、iPadのモデルについて詳しく解説しました。結論、iPadはSIMカードなしでも使用できます。自宅やオフィスなど、Wi-Fi環境の下でしか使わないユーザーにとってはSIMなしでiPadを使用するのに向いているでしょう。

また、iPadをSIMカードなしでWi-Fiのみで使うメリット・デメリットについても解説しました。これらの情報を参考に、あなたにとって最適なiPadモデルを選び、利点を最大限に活用してください。

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