SIMカードという用語を聞く機会はありつつも、具体的にどのようなカードなのか知っている方は少ないでしょう。しかし、iPhoneを購入する際には、どのような機能のカードであるか知らなければ損をしてしまうかもしれません。
そこで本記事では、SIMカードの基本から歴代iPhoneに使われてきたSIMカード一覧、SIMカードのメリット・デメリットなどを解説しています。
本記事を読めばSIMカードがどのようなカードなのかわかり、iPhoneを購入する時に役立つでしょう。
目次
SIMカードとは?iPhoneに使用する理由を解説
iPhoneに使われているSIMカードについて、以下の2点を解説します。
SIMカードとは
まずはSIMカードの基本を知っておきましょう。
SIMカードは「住所」のような役割をもつ
SIMカードとは、iPhoneやAndroidなどのモバイルデバイスにおいて、ユーザーの識別情報を保持し、通信時に必要になるICカードです。このICカードには、電話番号や契約情報、ユーザーの個人情報などが含まれています。そのため、SIMカードはデバイスにとっての「住所」のような役割を持っています。
通信キャリアが提供するネットワークにアクセスするためには、この「住所」が必要です。ユーザーが新しい場所に移動しても、SIMカードがあれば、その地域に提供されているネットワークサービスを利用して通話やデータ通信を行えます。
まさに、SIMカードはモバイルデバイスが世界中どこでも自分の「住所」を持ち歩けるようにする重要なカードなのです。
SIMカードは4種類ある
現在、市場には4種類のSIMカードが存在しています。4種類のSIMカードは、以下のとおりです。
SIMカードの種類 | 特徴 |
---|---|
標準SIM | 最も初期のSIMカードの形状で、現在ではほとんど使用されていない。 |
Micro-SIM | 標準SIMよりも小さく、以前のスマートフォンやタブレットで広く利用されていた。 |
Nano-SIM | 現在、最も一般的に使用されているSIMカードで、Micro-SIMよりもさらに小さい。 |
eSIM | 物理的なSIMカードがなく、デバイスに組み込まれた電子SIM。 通信キャリアをオンラインで変更でき、物理的なSIMカードの交換が不要。 |
これらのSIMカードは、様々な人のニーズやデバイスの設計に応じて選択されます。特に、eSIMは近年の技術進化により注目されており、将来的にはさらに多くのデバイスで採用される可能性があります。
歴代iPhoneで使えるSIMカード一覧
歴代iPhoneが対応しているSIMカードを、以下に示します。
iPhoneモデル | SIMカードの 種類 |
eSIM 対応 |
---|---|---|
iPhone 15, iPhone 15 Plus, iPhone 15 Pro, iPhone 15 Pro Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone 14, iPhone 14 Plus, iPhone 14 Pro, iPhone 14 Pro Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone 13, iPhone 13 mini, iPhone 13 Pro, iPhone 13 Pro Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone 12, iPhone 12 mini, iPhone 12 Pro, iPhone 12 Pro Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone SE (第3世代), iPhone SE (第2世代) | Nano-SIM | ○ |
iPhone 11, iPhone 11 Pro, iPhone 11 Pro Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone XS, iPhone XS Max | Nano-SIM | ○ |
iPhone XR | Nano-SIM | ○ |
iPhone X | Nano-SIM | × |
iPhone 8, iPhone 8 Plus | Nano-SIM | × |
iPhone 7, iPhone 7 Plus | Nano-SIM | × |
iPhone 6s, iPhone 6s Plus | Nano-SIM | × |
iPhone 6, iPhone 6 Plus | Nano-SIM | × |
iPhone SE (第1世代) | Nano-SIM | × |
iPhone 5s, iPhone 5c, iPhone 5 | Nano-SIM | × |
iPhone 4s | Micro-SIM | × |
iPhone 4 | Micro-SIM | × |
iPhone 3GS, iPhone 3G, iPhone | 標準SIM | × |
eSIMに対応しているモデルは、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降のモデルです。これらのモデルでは、物理的なSIMカードを使用せずに、通信事業者のモバイル通信プランを利用(アクティベート)できます。
iPhoneのスペックを比較したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
iPhoneでSIMカードを使うメリット
iPhoneでSIMカードを使用するメリットは以下のとおりです。
SIMカードを使用するメリット
それぞれのメリットを詳しくみてみましょう。
SIMフリーを選べば料金を安くできる場合がある
SIMフリーのスマートフォンとは、特定のキャリアに縛られずに使用できるデバイスです。SIMフリーのデバイスを選択することで、自由に通信キャリアを選択でき、自分のニーズに最も適したプランを選べます。
SIMフリー端末を使用する最大の利点はコスト削減です。各キャリアは様々な料金プランを提供しており、競争によってより低価格で多様なサービスを提供しています。これらのプランを比較し、自分の通信量や利用パターンに最適なプランを選択することで、月々の通信費を大幅に削減できるのです。
ただし、中古でiPhoneを購入する時は、SIMロックの状態を確認することが大切です。SIMロックとは、特定のキャリアのSIMカードのみで利用できるように端末が制限されている状態を指します。もし中古PhoneにSIMロックがかかっている場合、端末はそのキャリアのSIMカードでしか使用できません。
他のキャリアのSIMカードを使用する予定がある場合は、SIMロック解除済みのSIMフリー端末を選ぶか、解除可能かどうかを事前に確認する必要があります。
※補足
総務省の指導により2021年10月1日からSIMロックが廃止されました。そのため現在、大手キャリアであるau、docomo、SoftBankから発売されるスマホは全てSIMフリーです。
セカハンで扱っているiPhoneはすべてSIMフリーであるため、SIMロックが心配な方はセカハンの利用がおすすめです。
SIMフリーに関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください
格安SIMのiPhoneを購入したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
電話番号を引き継ぎできる
SIMフリー端末では、新しいキャリアに変更しても、現在使用している電話番号をそのまま継続して使用できます。ビジネス上の連絡先や、長年使用してきた電話番号を変更したくない場合に特に便利です。
電話番号の引き継ぎはキャリア間で若干異なる場合がありますが、基本的には新しいSIMカードを挿入し、新しいキャリアに現在の電話番号の移行をリクエストすることで完了します。このプロセスにより、電話番号を変更することなく、新しいキャリアのサービスを利用できるようになります。
iPhoneでSIMカードを使うデメリット
iPhoneでSIMカードを使うデメリットは、以下の2点です。
SIMカードを使うデメリット
SIMカードを利用する予定の方は、デメリットも理解しておきましょう。
設定を自分で行う必要がある
キャリア経由で購入する場合、店舗スタッフが初期設定やSIMの挿入をサポートしてくれますが、SIMカードを自ら契約して挿入する場合はすべて自分で行う必要があります。あまり機械が得意ではない方にとっては、少しハードルが高く感じるかもしれません。SIMカードの設定やアプリインストールなどを手厚くサポートして欲しい方は、キャリアでの購入を検討してみましょう。
ただし、SIMカードの設定は難しくありません。インターネット上には設定方法に関する情報がたくさんあるため、参考にするのもよいでしょう。iPhoneのSIMカードを設定する方法に関しては、記事後半で解説しているため、参考にしてみてください。
SIMカードなしで、Wi-Fiのみでスマホを利用したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
端末によっては利用できない
SIMフリー端末にSIMカードを自分で契約して使うときは、その端末が通信キャリアのネットワークに対応しているかを確認する必要があります。すべてのSIMフリー端末が全てのネットワークや周波数帯で動作するわけではないため、特に海外製の端末や古いモデルの端末を使用する場合は注意が必要です。
端末が対応していないネットワークを使用しているキャリアのSIMカードを挿入しても、通信速度が遅くなるか、最悪の場合は通信が全くできなくなる可能性があります。
このような問題を避けるためには、端末購入前にiPhoneのスペックを確認し、使用するキャリアのサポートするネットワークバンドと一致していることの確認が重要です。また、端末の購入先やメーカーに対応状況を事前に問い合わせることも有効な方法です。
iPhoneのSIMカード入れ替えから設定までの手順
iPhoneのSIMカード入れ替えの手順は、以下の2ステップです。
SIMカード入れ替えの手順
本章を参考にして、SIMカードの設定を行いましょう。
1. SIMトレイの場所を確認し挿入する
まずはSIMカードを入れるトレイに、SIMカードを挿入します。SIMトレイの場所はモデルによって異なるため、以下の表を参考にしてください。
iPhoneモデル | SIMトレイの 位置 |
---|---|
iPhone 15(無印、Plus、Pro、Pro Max) iPhone 14(無印、Plus、 Pro、Pro Max) iPhone 13(無印、mini、 Pro、 Pro Max) iPhone 12(無印、 mini、Pro、Pro Max) |
本体の左側面 |
iPhone 11(無印、Pro、Pro Max) iPhoneX(無印、 XS、XS Max、XR) |
本体の右側面 |
iPhone SE (第 1、第 2、第 3 世代) iPhone 8(無印、 Plus) iPhone 7(無印、 Plus) iPhone 6s(無印、 Plus) iPhone 6(無印、 Plus) iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5、iPhone 4s、iPhone 4 (GSM モデル) |
本体の右側面 |
iPhone 3GS、iPhone 3G、初代 iPhone | 本体上部 |
SIMトレイはiPhoneに付属してあるピンを使えば開けられます。ピンがない場合、ペーパークリップや安全ピンなどでも開けられます。
eSIMを利用する場合
2. 端末側で設定を行う
iPhoneで新しいSIMカードを挿入した後、いくつかの設定を行う必要があります。最初に、デバイスを再起動することをおすすめします。新しいSIMカードが正しく認識されることが多いです。再起動後、以下のステップに従ってください。
ステップ | 説明 |
---|---|
1.ネットワーク設定の確認 | 新しいキャリアのネットワークに自動的に接続される。接続できない場合は、「設定 > モバイルデータ > モバイルデータネットワーク」でAPN設定を確認し、必要に応じて手動で入力する。 |
2. キャリアアップデートの確認 | 「設定 > 一般 > 情報」にアクセスし、利用可能なアップデートがあるか確認して、必要があれば手順に従いアップデートする。 |
3. 通話とデータ通信のテスト | 設定後、通話が正常に行えるか、インターネットに接続できるかを確認する。 |
上記の手順を実行することで、新しいSIMカードを使用してiPhoneの設定が完了します。設定に問題がある場合は、キャリアに問い合わせるか、Appleサポートに相談することをおすすめします。
iPhoneのSIMカードについてよくある質問
iPhoneのSIMカードについてよくある質問を2つまとめました。
iPhoneの購入を検討している方は、回答を参考にしてみてください。
iPhoneにSIMカードがないとどうなりますか?
iPhoneにSIMカードがない場合、いくつかの制限が発生します。まず、モバイルネットワークを介した通話やデータ通信ができなくなります。これは、SIMカードがユーザーの電話番号や契約情報を含む通信キャリアへの「鍵」として機能するためです。
SIMカードがなければ、その鍵がない状態と同じで、モバイルネットワークへのアクセスが不可能になります。
しかし、Wi-Fi接続が可能な環境では、インターネットへのアクセスや、Wi-Fiを通じた通信アプリの使用は引き続き可能です。Wi-FiのみのiPhoneの用途は、以下のとおりです。
Wi-Fiのみでできること
- インターネット検索
- ゲームや音楽、動画の再生
- カメラとして利用
- SNSの利用
- 子ども用のスマホとして利用
- おサイフケータイとして利用
ただしWi-Fiのみの場合、外出先で使えない場所があったり、Wi-Fiに不具合があった場合に使えなくなったりするため注意しましょう。
iPhoneをWi-Fiのみで利用する予定の方は、以下の記事を参考にしてみてください。
SIMカードなしでLINEはできますか?
SIMカードがない状態でも、Wi-Fi接続があればLINEを利用できます。LINEは、電話番号を使ってアカウントを登録することが一般的ですが、一度アカウントを設定してしまえば、その後はインターネット接続があればアプリを使用できます。
つまり、Wi-Fi環境下では、メッセージの送受信や無料の音声・ビデオ通話など、LINEの主要な機能を利用できるのです。
ただし、新しいデバイスでLINEアカウントを初めてアクティベートする場合や、電話番号に基づく認証を必要とする場合には、SIMカードが必要になる場合があります。
そのため、SIMカードを使用せずにLINEアカウントを利用し続けるためには、事前にアカウント設定や認証プロセスを完了しておくことが重要です。
お得に使うならSIMフリーのiPhoneがおすすめ!
SIMフリー最大のメリットは、キャリアを自由に選べる点です。大手キャリアの信頼性や手厚いサービスを求める方はauやdocomo、SoftBankなどを選ぶとよいでしょう。一方でコスト重視の方は、格安SIMが最適な選択肢になります。
ユーザーごとの異なるニーズに対応できる強みをもった、SIMフリーのiPhoneの購入を検討してみましょう。
SIMフリーのiPhoneを購入する場合、注意するべきはSIMロックのデバイスです。SIMロックのデバイスでは、特定のキャリア以外の利用ができません。しかし、セカハンで取り扱っているiPhoneはすべてSIMフリーであるため、安心して中古スマホを購入できます。
SIMフリーのiPhoneを購入したい方は、以下の記事でどこで買うべきか検討してみてください。